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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第3章 ♥ご機嫌カレシ
「翔太、ジョッキ空いてるよ」
「………!」
「ビールでいい?」
……翔ちゃんほど低くはないけど、軽やかな男性の声が聞こえてきて
その声と共に
どこからともなく、爽やかな春風が吹きぬけてきた。
~~って、なぜ!?
今はもう7月だっつーの!
「彰、お前なに飲んでるんだよ」
「クリュッグ。すげーいいよコレ」
突然のそよ風に驚いて、キョロキョロと辺りを見回す私の前で
誰かの細い腕が、翔ちゃんの肩に回って抱きつく。
「っっか~~、シャンパンなんて洒落たもん飲みやがって。
つーかお前、そいつの値段見たか?」
「知らない。だって女王様が飲んでいいって言うから」
「あーじゃあ俺もそれにするわ」
「了解……って、あれ?」
「………」
……翔ちゃんと仲良く会話する男性が、後ろに突っ立っている私に気付いて
屋根の下の暗がりからまた一歩、近付いてきた。
「ごめん、気付かなかった」
「………っ」
「もしかして、莉央の彼女?」
……翔ちゃん。
あなたの視力を心の底から疑います。
……この人の、どこが “ まぁまぁ ” ですって……?