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rena's world story☆h.a.s.r.r.y
第5章 ♥離れないで
「……酔ってねぇし」
「………!」
「勝手なことばかり言いやがって。
ふざけんな」
お水を口に含んだタイミングで、隣りから低い声。
振り向くと、羽織っているシャツを莉央が不機嫌そうに脱いでいた。
「あら、お目覚め?」
いつもの口調に戻ったその姿に、安心しながらも
ツンとした態度で、蓋を空けたペットボトルを莉央の手に渡す。
「随分長いこと夢の国に行かれてましたね」
「……寝てねぇから。始めから醒めてる」
「よく言うわ。
ここまで運んだの誰だと思ってるの?」
「俺が女の肩を借りるなんてありえねぇ」
「でも貸したわよ。見てよこの赤い手。
あ~重かった」
「………」
はい、勝った。
何も言えなくなった莉央に睨まれたけど、全~っ然怖くない。
加賀谷さんが気付いた通り、莉央の意識が飛んでたのは事実だし。
まぁ、重いってのは嘘だけどね。
「七瀬さんと2人だった時、どれだけ飲んだのよ…」
「加賀谷のやつ。
自分だけいい思いする為に、追い出しやがって」
「……!」
「みんなを独り占めしたいから……って
……あー、クソ」
「………」
「……頭痛ぇ……」