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第2章 ♥初顔合わせ

そう言って笑うと、自分の話題に気付いたアンジーが顔を上げて

“ 隼人？ ” と口を動かしたから、俺は首を左右に振った。


『今夜彰くんと台場で飲むってことは、先週アンジーに聞いてて。
俺、誘ってもらってたんだ』

「あ、なにそうなの？」

『先約があるから断ったんだけど、状況が変わって。
今からそっち行って参加してもいい？』


現在地を尋ねると新橋とすぐ近くだったので、一度電話を耳から外す。

手酌しようとしたアンジーの手を軽く制止して、ボトルを受け取った。


「アンジー、莉央から電話なんだけどさ」

「ん～？なに～？」

「莉央」

「はぁ～？誰ヨそれ」


暑さでゲンナリしているアンジーは、生半可な返事で
俺が注いだワインのグラスを傾けて、クルクルと回す。


「誰って、翔太の弟だよ。ＧＷに一度飲んだだろ？」


そうだ、前回は５月だった。
翔太が連れてきて……ってまだ２ヶ月しか経ってないな。


「……色黒細マッチョの弟……」

「自分から誘ったのに忘れたのかよ。
ほら、○○Ltdで営業やってる……」

「～～ハッ！ 宮本莉央！！」

「………！」

「国内最大手インテリア事業・営業部エース！！」