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あたしの甘い王子さま
第6章 甘えた君、登場
『笹山くん』とは、わが社専属のパティシエさん。
いつも無理言ってばかりで申し訳ないんだけど、いつも素敵な作品を作り上げる魔法の手の持ち主。
去年携わったデザートの高評価は笹山さんのお陰でもある。
「あ、そうだ。瀬上さん、ちょっとこっち」
「はい?」
書類を纏めているところへの呼び掛け。
仕事モードの時、部長はあたしを苗字で呼ぶ。
いつの間にやらあたしの左隣まで移動してきた部長の方を見上げると........
『チュッ』
唇に落とされた触れるだけのキス。
「続きは、またあとで」
してやったりの笑顔が目の前に。
「晶....顔、真っ赤だよ」
あ....部長が仕事モード解除してきた。
あたしもあたしだ。いい大人が、これくらいのキスでバタつくなんて........。
二人っきりの時に呼ばれる名前呼びも慣れてないし、恥ずかしい。
「晶....」
名前を呼びながら、部長の右手は頬から顎へとスルリと移動。
くすぐったくて身を竦めると、今流行りの『顎クイ』で大人のキス。