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あたしの甘い王子さま
第7章 ライバル君、登場
「瀬上さん、いつもの部屋って?」
あたしの後ろを歩く部長が小声で問いかけてくる。
一応、仕事モードに切り替えたんだね。
あたしのこと『瀬上さん』って呼ぶんだもの。
コホン....
ひとつ咳払いをして
「あのですね........。あたし、チョコとバナナの組み合わせ、ダメなんですよ。特にバナナの香りがダメで、まぁ.....パティシエの仕事場自体が受け付けないんです。試作品が出来ると、試食するための別室を用意してもらっているんですよ」
「え?バナナのデザートは人気だよね?あるメーカーでヒット商品出てたくらいだよ?」
「バナナは人類すべてが好むフルーツだと思わないでください。苦手な人、あたし以外にもきっといますよ?
........バナナの生産者の方には申し訳ないのですが、苦手は苦手なんです」