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おなとも!
第2章    
 彼の名前はホワムー。
 無論本名ではない。

 佐伯チズレベルで色白っていうのと愛用の下敷きがムーミンだから、という単純明快な理由で人気者グループの野球部の奴がつけたアダ名だ。

 本名はオカモトタカシとかそんな名前だったと思う。

 ホワムーはクラスでは異質な存在だ。
 ぼっち、地味、無口、帰宅部、不気味な風貌。
 いじめられる五大要素は兼ね備えているはずなのだが、誰も彼をからかったりいじめたりはしない。

 噂では私がインフルエンザで欠席していた入学当時、悪口を言ってきたクラスメート、ちなみにホワムーというアダ名をつけた野球部の奴、に突然キレて馬乗りになってフルボッコにしたとかで、それ以来周りは彼に対し“コイツ、キレたら何するか分からないから関わらないでおこう”的な感じで避けているらしい。

 中学の卒業文集で「家で爆弾作ってそうな人→オカモトタカシ」と書かれたレベルと思えば頷ける。
 何を考えているのか全く分からないという点でニュータイプの不良と言えよう。
 ちなみにこれらの情報は後ろの席の普通グループの女子らが話しているのを盗み聞きして得たものである。

 1-3に於いて最もアンタッチャブルな存在と言えるホワムー、まさか彼と話す機会が、こんな形でやって来ようとは…。

 彼の趣味が盗撮、という件に関してさほど驚きを感じないとはいえ、今まさに死のうとしているクラスメートに対しお世辞にも「ヤメロヨー」などと言わないあたり、本当に何を考えているのか予測不可能だ。私だったら仮に私をいじめてるキモグループのリーダー(デブメガネ)が屋上から飛び降りようとしてる場面に遭遇したら100%お世辞とはいえ「ちょ、やめとけ」くらいは言っちゃうと思う。

 だって知ってる人が目の前で死んでしまうなんて怖い。
 人はいつか死ぬけど、自分から死ぬなんて、そんな場面を目の当たりにするなんて怖くてたまらない。
 って自殺しようとしてる私が何言ってんだか…。
 死ぬ場面を撮影してやるなんて、やっぱりホワムーはどうかしてるのだ。




 って、死のうって決意したのになんで屋上のドア開けて階段下りてんだよ私…ああ、死に損なった…。



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