この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
おなとも!
第2章    
 そう思うと余計惨めだ。フェンスの前で昨日のガリ男よろしく踞り、泣いた。
 鼻水が垂れよだれが垂れ、激しく嗚咽した。
 スニーカーに顔が近づく体勢のため、自分のスニーカーの匂いが余計に涙を誘った。
 ブスできもくて友達がいなくていじめられてる上に足が臭いとか終わってる。
 死にたいけど死ぬのもバカらしい。
 死ねないなら生きる以外道はない、考えると更に泣ける。
 こんなに辛い思いをあと3年もしなきゃあいけないなんて。
 背後に並々ならぬ気配を感じるが無視して泣いた。
 目の前に無駄にでかい影が落ちるが意地で無視して泣き続けた。
 だってそれがビデオカメラで撮影を続けるホワムーだということは、屋上に来たときから気付いていたからだ。

「タカハシさん」

 ホワムーの声は笑っている。
 30分は卑屈な体勢でスニーカーを抱えて踞り嗚咽していたもんで、飛び降りる瞬間を狙うホワムーもさすがに痺れを切らしたらしい。

「ねぇ、もうすぐ全校生徒下校のチャイムが鳴るけどぉ?どうすんの?」

 顔を上げる。シルバーの本体と丸いレンズ。
 その向こう側に蜃気楼のごとくホワムーがぼやけて見えた。

「なに撮ってんのよ」

 ウンチングスタイルでニヤニヤ笑いながら私を撮影するホワムーに怒鳴ってみた。
 が、家庭内に於いても学校と同様ほとんど喋ることがない私の声は半年間はろくに使っていなかったため、結果として自分でも驚くほどに声が小さく、しかも泣いていたためにヒックなどと喉が鳴り、ほとんどホワムーの耳には届かなかった。

「なんてぇ?」

 ホワムーは首を捻った。

/26ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ