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おなとも!
第2章    
 しかしながらそれは火に油を注いだようなもので、そのうえ更に状況が悪いことに私の小さい声がファッ君の耳に奇跡と呼ぶしかないかたちで届いたらしく、





「ぬぅわにーーー!?校内でファック致すとは何事かーーーーーーー!!!退学にしてやるーーーーー!!!」




 とか大声で叫びながら、どんどん距離を縮めてくる。
 噂通り香ばしい人格を所有しているらしいファッ君であったが、ついに私たちのすぐそばまで上ってきて、鉄製扉の摺り硝子から差し込むオレンジ色の光にサートライトの如く照らされた男女のうちの1人がホワムーだと気付いたとき、表情が一変した。



 



「なぁっ・・・・!?おぼっちゃま・・・・!」



 とか言って、階段中腹で足を止めたまま、激しくたじろいでいる。
 ホワムーは相変わらず尻を丸出しにしたまま、めんどくさそうにファッ君の姿を確認すると、ニヤリと笑って肩をすくめて見せた。



「すみませぇん、もう帰りますからぁぁ」



 ホワムーはそう言ってニヤニヤしていたが、ファッ君はというと、


「こ、これはとんだお邪魔を・・・ご、ご無礼をどうかお許し下さい、どうぞそのまま、ごゆっくり・・・!お、お父様にくれぐれもよろしく・・・!」


 とだけ言って踵を返し、ダダダダダとダッシュで階段を駆け下りていった。


 私は意味が分からず、増え続けるクエスチョンマークに脳が飽和状態であった。
 ホワムーは私に「ホントになんともねぇ?」かと3回確認した上で、イテェと2度呟きつつも、立ち上がりズボンを上げ、尻についた埃を払って、もう一度カバンを手にした。
 無論ビデオカメラが無事か確認したうえで。

 私も慌てて立ち上がり、必然的にホワムーの背中に続く。


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