この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
彼は天然記念物
第2章 鈍感

「~~~でさ~………」
つまらない。
なんだこの話。
恋バナばっかりだ。
「………聞いてる?」
「聞いてるよ」
「そ。でさ~………がさ~………」
また始まった。
あーあ、つまんねえ……
「………ん?」
チラリと視線をずらした先には、
雪久と紫狼兄と笑いながら歩く兄貴。
兄貴はこっちに気づいて、手を振ってきたけど無視した。
ここで相手すれば自分が辛くなるだけ。
俺の代わりなんて兄貴にはいくらでもいる。
俺に無視されたぐらいでへこまないだろう。
「………早く行こう。」
「フフッ…直くんて以外とせっかちなんだね~」
手をとると握り返してきた。気持ち悪い…うえ………
「…手を繋いだぐらいで調子にのるなクソブス」
そう言い放つと女はショックを受けたみたいで急に立ち止まった。めんどくせぇ…
「ひ…ひどい……」
「…悪かったよ!」
立ち止まる女を無理やり引っ張って家に連れ込んだ。

