この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
彼は天然記念物
第2章 鈍感
有舂季side

「む………無視……され…た…」

初めてだ。

初めて直樹に無視された。

今まではどんな場所でどんな人が隣に居ても、無視しなかったのに……

「有舂兄……大丈夫……?」

「………む…し……された……」

雪久が心配してくれても、今は直樹に無視されたことで頭がいっぱいいっぱいで、雪久の言葉が頭に入ってこない。


ショックだ…………


こんなにもショック受けたことない…………。



…………………………………

あれから二週間経った。

今日も無視。朝も起こしてくれない。話し掛けるも無視。


「…………今日は…一人で帰る。」

雪久や紫狼を置いて先に帰った。


「……ただいま……あれ…」

靴が…2個ある……?

一つは直樹の、もう一つは…女物………
しかもまた違うヤツ…


意を決して二階に上がる。

話を聞いて貰うためだ。1対1で話しても無視されてしまうなら、仲裁が居れば大丈夫という結論に至った。


「…………スーッ……ハー…」

小さく息を吸ってノブに手を掛ける。

ガチャ…


「直樹…?」

開けたとたんに聞こえる荒い息づかい。その中に紛れて聞こえる驚いたような声。

「有舂兄………!?」


目に映ったのは女を愛撫する直樹…

一気に喪失感に苛まれる。

俺の知ってる直樹は消えた。

女遊びをするようになってしまった。

途端に涙が溢れ出る。

女までびっくりしたようで急いで服を着ている。

俺は兄としてすべきことがあるだろ?


でも涙が止まらない。

「あ……ご…ごめん……」

そう言って部屋を出た。

そう言うのが精一杯で。

部屋に籠もって泣き止むまで待った。
/32ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ