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彼は天然記念物
第2章 鈍感

有舂季side
「む………無視……され…た…」
初めてだ。
初めて直樹に無視された。
今まではどんな場所でどんな人が隣に居ても、無視しなかったのに……
「有舂兄……大丈夫……?」
「………む…し……された……」
雪久が心配してくれても、今は直樹に無視されたことで頭がいっぱいいっぱいで、雪久の言葉が頭に入ってこない。
ショックだ…………
こんなにもショック受けたことない…………。
…………………………………
あれから二週間経った。
今日も無視。朝も起こしてくれない。話し掛けるも無視。
「…………今日は…一人で帰る。」
雪久や紫狼を置いて先に帰った。
「……ただいま……あれ…」
靴が…2個ある……?
一つは直樹の、もう一つは…女物………
しかもまた違うヤツ…
意を決して二階に上がる。
話を聞いて貰うためだ。1対1で話しても無視されてしまうなら、仲裁が居れば大丈夫という結論に至った。
「…………スーッ……ハー…」
小さく息を吸ってノブに手を掛ける。
ガチャ…
「直樹…?」
開けたとたんに聞こえる荒い息づかい。その中に紛れて聞こえる驚いたような声。
「有舂兄………!?」
目に映ったのは女を愛撫する直樹…
一気に喪失感に苛まれる。
俺の知ってる直樹は消えた。
女遊びをするようになってしまった。
途端に涙が溢れ出る。
女までびっくりしたようで急いで服を着ている。
俺は兄としてすべきことがあるだろ?
でも涙が止まらない。
「あ……ご…ごめん……」
そう言って部屋を出た。
そう言うのが精一杯で。
部屋に籠もって泣き止むまで待った。
「む………無視……され…た…」
初めてだ。
初めて直樹に無視された。
今まではどんな場所でどんな人が隣に居ても、無視しなかったのに……
「有舂兄……大丈夫……?」
「………む…し……された……」
雪久が心配してくれても、今は直樹に無視されたことで頭がいっぱいいっぱいで、雪久の言葉が頭に入ってこない。
ショックだ…………
こんなにもショック受けたことない…………。
…………………………………
あれから二週間経った。
今日も無視。朝も起こしてくれない。話し掛けるも無視。
「…………今日は…一人で帰る。」
雪久や紫狼を置いて先に帰った。
「……ただいま……あれ…」
靴が…2個ある……?
一つは直樹の、もう一つは…女物………
しかもまた違うヤツ…
意を決して二階に上がる。
話を聞いて貰うためだ。1対1で話しても無視されてしまうなら、仲裁が居れば大丈夫という結論に至った。
「…………スーッ……ハー…」
小さく息を吸ってノブに手を掛ける。
ガチャ…
「直樹…?」
開けたとたんに聞こえる荒い息づかい。その中に紛れて聞こえる驚いたような声。
「有舂兄………!?」
目に映ったのは女を愛撫する直樹…
一気に喪失感に苛まれる。
俺の知ってる直樹は消えた。
女遊びをするようになってしまった。
途端に涙が溢れ出る。
女までびっくりしたようで急いで服を着ている。
俺は兄としてすべきことがあるだろ?
でも涙が止まらない。
「あ……ご…ごめん……」
そう言って部屋を出た。
そう言うのが精一杯で。
部屋に籠もって泣き止むまで待った。

