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彼は天然記念物
第2章 鈍感
有舂季side

「こらー遅刻だぞー!」

「はぁッ…す、すいません!」

昨日、紫狼とゲームを遅くまでやった所為で寝坊してしまったのだ。

「おい…大丈夫か?」

席に着いて話し掛けてきたのは隣の席の姫林彰真(きはやし しょうま)君。 

名字に姫が入っているので、ヒメなんて呼ばれているらしい。

でも顔立ちは立派なイケメンだ。
(この学校イケメンが多い……


俺は二年になってやっと顔を合わせたので、まだ彰真君と呼んでいる。

「彰真君~…も、無理…ゼェ…ハァ……」

「ハハッ(笑)頑張って!これから体育だよ~」

「え!もしかして……柔道だったりしないよね…?」

「ピンポーン!あったりでーす(笑)」

「嘘ぉぉ……そんな……」

俺は柔道が大嫌いだ…

独特な男臭が集まって臭いし,投げにまぎれて触ってくる人がいるからだ。


鈍感な俺がどうやって気づいたのかというと、紫狼が教えてくれたのだ。

あのゴツゴツの手がスルリと入ってくると背筋にゾクゾクと何か走る感じがして……おぉ気持ち悪い……

「移動しろー!」

担任の声で俺は紫狼と彰真君と柔道部屋に移動した。
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