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奴隷家族- 催眠術師の秘密倶楽部 第二部 -
第10章 由紀恵-旦那の前で
『不思議だ。理沙の声を聞くと心が落ち着く。理沙の声を聞くと怒りや不安が、消えていく』

引き吊った父親の表情が和らいでいく。

「今まで通り?理沙。何が今まで通りなんだ?」

父親は冷静に娘に問う。

「…パパは小さな事に囚われてるの…パパの心は…くだらない小さな事に囚われてるのよ…可哀想なパパ…」

『小さな事?小さな事なのか?』

「…パパが望むのは…ママの幸せ…パパはママや理沙達を幸せにしてくれている…」

『そうだ。パパは頑張ってる。家族の為に頑張ってるよ。毎日毎日、頑張ってるよ』

「…でも…足りないの…パパではママの全てを幸せにする事はできないの…」

『えっ!?足りない?何が?パパに何が足りない?何が不満なんだ?』

「…ママは幸せにしてくれる人を探していたの…探し続けて…そして見つけたの…ママを幸せにできるのは…先生…先生だけなのよ…世界中でママを幸せにできるのは先生だけ…先生はママを幸せにしてくれる…」

『ママを幸せにできるのは先生だけ?先生はパパの足りないモノを持っている?』

「…パパもママに幸せになって欲しいでしょ?…ママは今…幸せよ…先生に愛されて…ママは最高に幸せなのよ…だから…パパは何も心配しなくていいの…今まで通り…何も変わらない…何も変わらないよ…パパ…」

『ママの行為は幸せ探し』

父親の中で妻の行為は不貞では無くなった。

父親の心を不安定にさせていた蟠りが霧散した。

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