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奴隷家族- 催眠術師の秘密倶楽部 第二部 -
第13章 美優-大団円
「…お姉ちゃん…」

思いつめた表情の美優は理沙の焦りなど意にも介さない。

「…えっ?…」

いつもと様子の違う美優に理沙は気を取り直す。

「…どうしたの?…」

「…こないの…」

「…誰が?…」

「…せ…いり…」

消え入りそうな声で美優が呟く。

「…セ…イ…リ?…」

キョトンとした表情で理沙が聞き返す。

『…セイリって誰よ…セイ…リ…生…』

想像だにしない言葉が理沙の頭の中で実体を結ぶ。

「…あ~…生理って…まさか…美優…」

理沙の驚きの大きな声にビクッとなった美優が堰を切ったように泣き出す。

「…うわぁ~ん…こないの…お姉ちゃん…生理がこないの…」

「…こないって…いつから?…」

「…先月から…変な時に血が出て…生理かなって思ったんだけど…何かいつもの生理の血とは違うくて…で…生理が来るはずの日にはこなくて…今月も…きてもいいはずなのに…こなくて…だから…妊娠検査薬使ったら…」

理沙は美優の手に握られた体温計の様な白い棒に気が付く。

「…これ?…」

理沙が美優が握りしめていた妊娠検査薬を奪い取る。

「…あら…」

そこには陽性反応を示す赤いマークが表れていた。

先月、美優が出した血は経血ではなく着床出血だった。

「…できちゃったわね…美優…誰の子?…」

理沙は抑揚のない声で言った瞬間、ハッとする。

『…まさか…先生?…先生の子供?…』

理沙の背中に嫌な汗が流れる。

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