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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第3章 ジョイント・オン
倒れたロボットに恐る恐る近づくと、ちょうど股関節の部分がハッチのようにして開いていた。
(コックピットなのかしら?)
そうであれば操縦していた人がいるはずである。怪我をしているかもしれない。ケイはどうにかしてロボットの脚をよじ登り、中を覗き込んだ。
(やっぱり操縦席なんだわ……)
そこにはボディスーツに身を包んだ青年が意識を失っていた。母性本能をくすぐるような優しい顔立ちだ。
「大丈夫ですか! しっかり!」
身を乗り出したケイの呼びかけに青年の瞼がピクリと反応を示し、薄らと目が開かれた。
「うう……君、危ない……離れて……」
「えっ……キャアッ!」
青年の警告はひと足遅かったようだ。いきなりハッチが閉じ、背中を押されてケイはコックピットの中にどさりと落下した。
「ぐうっ!」
青年の呻き声。ケイのほうは彼の体がクッションになって無事だった。
「だ、大丈夫ですかっ!」
返事はない。どうやら今ので再び意識を失ってしまったらしい。そこで初めてケイは男の体に抱かれている格好の自分に気づいた。
(やだ……恥ずかしい……)
狭い密閉空間で、苦労して体の位置をずらす。どうにか青年の隣に座るような体勢を確保した。それでも密着した男の肉体の息づきが伝わってきてケイの鼓動を速める。
(そ、外に出なくちゃ……どうすればいいのかしら)
薄暗いグリーンのライトの照明の中でコックピット内部を見回すが、ツルツルとした金属製の滑らかな材質で包まれたこの空間には、何かのスイッチのようなものは見当たらなかった。それはケイが見知った飛行機などの操縦席と比べてかなり異質なものだった。
(閉じ込められちゃったのかな……)
唯一の手掛かりになりそうなのは、座席の両サイドに開いた小さな穴だった。左右にそれぞれ五つづつ開いている。それは指の位置にちょうど合うようだった。
(コックピットなのかしら?)
そうであれば操縦していた人がいるはずである。怪我をしているかもしれない。ケイはどうにかしてロボットの脚をよじ登り、中を覗き込んだ。
(やっぱり操縦席なんだわ……)
そこにはボディスーツに身を包んだ青年が意識を失っていた。母性本能をくすぐるような優しい顔立ちだ。
「大丈夫ですか! しっかり!」
身を乗り出したケイの呼びかけに青年の瞼がピクリと反応を示し、薄らと目が開かれた。
「うう……君、危ない……離れて……」
「えっ……キャアッ!」
青年の警告はひと足遅かったようだ。いきなりハッチが閉じ、背中を押されてケイはコックピットの中にどさりと落下した。
「ぐうっ!」
青年の呻き声。ケイのほうは彼の体がクッションになって無事だった。
「だ、大丈夫ですかっ!」
返事はない。どうやら今ので再び意識を失ってしまったらしい。そこで初めてケイは男の体に抱かれている格好の自分に気づいた。
(やだ……恥ずかしい……)
狭い密閉空間で、苦労して体の位置をずらす。どうにか青年の隣に座るような体勢を確保した。それでも密着した男の肉体の息づきが伝わってきてケイの鼓動を速める。
(そ、外に出なくちゃ……どうすればいいのかしら)
薄暗いグリーンのライトの照明の中でコックピット内部を見回すが、ツルツルとした金属製の滑らかな材質で包まれたこの空間には、何かのスイッチのようなものは見当たらなかった。それはケイが見知った飛行機などの操縦席と比べてかなり異質なものだった。
(閉じ込められちゃったのかな……)
唯一の手掛かりになりそうなのは、座席の両サイドに開いた小さな穴だった。左右にそれぞれ五つづつ開いている。それは指の位置にちょうど合うようだった。