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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第3章 ジョイント・オン
(もしかして……)

 ケイは学業優秀なほうだ。憶えるのは苦手で歴史や古文などは得意ではなかったが、地頭の良さが要求される理数系は得意科目だ。推察・洞察力に恵まれているのは理系教師である父譲りだった。

 今の状況に、ある推測を立てるとケイは股間の異常事態をひとまず脇に押しやって、体を動かそうとしてみる。まず身を起こす。

 ググググ……

 ロボットが大きく動き、立ち上がるのを感じる。モニタにも地平線が映り、ケイの推測を裏づける。

(やっぱり。これ……私が動こうとする通りに動いているわ!)

「うう……」

 となりで青年が呻く。しかし、コックピットの揺れに反応して呻いただけで意識が戻ったわけではないようだ。

(私も指が抜けないし、叩いて起こすわけにもいかないわね……)

 振り向いてみる。国道のガードレールに隠れるようにしてこちらを見守る英瑠の姿がモニタに移った。

(英瑠を守らなくては……)

 それならば、今やるべきことはひとつ。あの機兵獣を倒し、脅威を取り除くことだ。
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