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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第4章 星宮ユリカ
これでも、と言われはしたが星宮ユリカの知性的な目鼻立ちは、フレームの細いお似合いの眼鏡、半分下ろした前髪からのぞく額のラインと相まって充分学者然としていた。
それでいて、ゆるいソバージュのかかった茶色の髪がフワリと肩を覆い、ターコイズブルーの大きめのイヤリング、ピンクの口紅がなんとも女らしい。
タイトな紺のスカートから惜しげもなく優美な脚線を披露し、白衣の下のピンクのブラウスは豊かな胸に盛り上げられて、女のケイですらドキッとするほどだった。
「あ……は、はじめまして」
つい気後れした挨拶となる。
「コーヒーぐらいしかないけど、いかが?」
「は、はいっ……ありがとうございます。いただきます」
コーヒーカップを乗せたトレーを手にユリカが戻ってきた所でケイは尋ねてみた。
「先ほど〝ヴァギナス〟っておっしゃってましたけど、いったい何ですか?」
あの日、ロボットのコックピット内でも耳にした言葉だ。
「今日はそれを貴女に説明するために来てもらったの」
「私に……?」
「ええ、貴女はヴァギナスを動かして、しかも機兵獣との戦いに勝利までした」
「それじゃ、ヴァギナスって……」
「そう。あの巨大ロボットの名前よ。私たち人類の希望」
「信じられない……」
改めて自分が巨大ロボットを操縦したことを意識させられ、ケイは呟いた。スクーターの運転すらしたことがない自分がいったいどうやってあんな巨人を動かし、あまつさえ大立ち回りまでやってのけたというのか。
そんな思いを察したかのようにユリカが口を開いた。
「SMAってわかるかしら? シェイプ・メモリー・アロイ、略してSMAと言うのだけれど」
いきなりの横文字にケイはキョトンとする他ない。
「……形状記憶合金と言った方がわかるかしら?」
「あ、それならわかります」
一定の温度で形を変え、記憶されていた形状となる金属の事だ。ブラジャーのワイヤーにも使われていたりする。
「簡単に言えば、ヴァギナスに使われているのはそれのもっと強力なバージョンなの。私たちはそれをスレイブ・メモリー・アロイ、隷従記憶合金と呼んでいるわ」
それでいて、ゆるいソバージュのかかった茶色の髪がフワリと肩を覆い、ターコイズブルーの大きめのイヤリング、ピンクの口紅がなんとも女らしい。
タイトな紺のスカートから惜しげもなく優美な脚線を披露し、白衣の下のピンクのブラウスは豊かな胸に盛り上げられて、女のケイですらドキッとするほどだった。
「あ……は、はじめまして」
つい気後れした挨拶となる。
「コーヒーぐらいしかないけど、いかが?」
「は、はいっ……ありがとうございます。いただきます」
コーヒーカップを乗せたトレーを手にユリカが戻ってきた所でケイは尋ねてみた。
「先ほど〝ヴァギナス〟っておっしゃってましたけど、いったい何ですか?」
あの日、ロボットのコックピット内でも耳にした言葉だ。
「今日はそれを貴女に説明するために来てもらったの」
「私に……?」
「ええ、貴女はヴァギナスを動かして、しかも機兵獣との戦いに勝利までした」
「それじゃ、ヴァギナスって……」
「そう。あの巨大ロボットの名前よ。私たち人類の希望」
「信じられない……」
改めて自分が巨大ロボットを操縦したことを意識させられ、ケイは呟いた。スクーターの運転すらしたことがない自分がいったいどうやってあんな巨人を動かし、あまつさえ大立ち回りまでやってのけたというのか。
そんな思いを察したかのようにユリカが口を開いた。
「SMAってわかるかしら? シェイプ・メモリー・アロイ、略してSMAと言うのだけれど」
いきなりの横文字にケイはキョトンとする他ない。
「……形状記憶合金と言った方がわかるかしら?」
「あ、それならわかります」
一定の温度で形を変え、記憶されていた形状となる金属の事だ。ブラジャーのワイヤーにも使われていたりする。
「簡単に言えば、ヴァギナスに使われているのはそれのもっと強力なバージョンなの。私たちはそれをスレイブ・メモリー・アロイ、隷従記憶合金と呼んでいるわ」