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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第4章 星宮ユリカ
 バチバチと電流が全身に走るようだ。
 マッチにつけた火を直接押しつけられたかのような情炎の灼熱が止むことなく敏感な蕾を焦がす。

「あっふあっ……くっ……カハッ……ユリカ……さ……ああっ……はあああああああっ……あんあああああっ!」

 切ない悲鳴をものともせず、股間に埋めた美貌を上げもせず、クールな舌先が淫らなダンスをアップテンポに変えてゆき、ついには艶やかな唇をすぼめてケイを吸いたてる。

 ぴちっ……ぴちぴちゃ……ぴちゅっ……ちゅるっ……ちゅちゅっ……ぷちゅちゅちゅっ!

「ダメェッ! ダメダメダメェ!」

 これまでの数倍にも値する快感。一気に昂まった性感がケイをどこかへと押し上げる。フウッと体が軽くなり空へと舞い上がるようだ。

(どこに……どこに行っちゃうの? 私……んはあああっ……どこにっ)

「イッ……あっ……」

 声にならない。ダメだ。何かしていたのに。何かを守っていたんだっけ? もうわからない。それよりこの感覚。流される、飛んでいく、消し飛ばされる、どこかへ――

「イッくうううううううううううっ!」

 ホワイトアウト。
 多幸感に包まれ、漂う。凪いだ海原かそれとも雲の上か。

(これが……オーガズム。ああ、私イッちゃったんだ……)

 額に浮いた汗を拭おうとすることもできない。余韻がけだるい。瞼を上げてもいられない。ケイは長い睫毛を震わせて深く甘い呼吸のリズムに身を委ねた。

 遠くで何かが聞こえる。

「十二分……それが今のタイムよ。ケイ、あなたはこの時間を一秒でも伸ばさなくてはならない」

 それは、あくまでもビジネスライクなユリカの声だった。
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