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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第5章 出撃
――気圧調整完了まであと三分。ウォーターシューター、ゲート開きます。
――パイロットは応答せよ。ケイ……いけるわね?
ヘッドセットに入り乱れる管制室からのオペレーターの音声。ケイはコックピットの中で体を強張らせながらユリカに応答した。
「銀河ケイ、スタンバイOKです」
聞き慣れた星宮ユリカの声は緊張を和らげてくれる。
ヴァギナスのパイロットとなって二週間。ついに初出撃の時がきたのだ。相手は沿岸地帯を襲撃する機兵獣一体。迎撃戦だ。
(大丈夫……大丈夫よ、訓練通りやればできるわ。それに私はすでに一回勝っているんだもの……)
「秘密兵器だってあるんだから……」
手の平の一粒のカプセルに目を落とす。それはヴァギナスのハンガーに向かう直前にユリカから渡された薬だった。
「抗オーガズム剤よ、いざというときはそれを噛み砕いて呑み込みなさい」
「抗オーガズム剤? なんですかそれ?」
「オーガズムを抑え、絶頂を遅らせる効果があるわ、イキそうになったら使いなさい」
「ちょっ……そんなのがあるなら今までのトレーニングは……」
「薬はあくまでも薬よ、頼るようになってはダメなの」
「ええーっ……でも」
「ホラ、早く行きなさい。私は管制にいるから。あとは通信で、ね」
やりとりを思い出す。
この二週間のトレーニングでは懸命の努力にも関わらず、絶頂までのタイムはそれほど伸びていない。つまりヴァギナスで戦闘できる時間は十二分程度ということだ。この薬がどれほどの効き目かはわからないが、それをアテにして戦うのは危険だ。それでも、あるだけ心強かった。
――パイロットは応答せよ。ケイ……いけるわね?
ヘッドセットに入り乱れる管制室からのオペレーターの音声。ケイはコックピットの中で体を強張らせながらユリカに応答した。
「銀河ケイ、スタンバイOKです」
聞き慣れた星宮ユリカの声は緊張を和らげてくれる。
ヴァギナスのパイロットとなって二週間。ついに初出撃の時がきたのだ。相手は沿岸地帯を襲撃する機兵獣一体。迎撃戦だ。
(大丈夫……大丈夫よ、訓練通りやればできるわ。それに私はすでに一回勝っているんだもの……)
「秘密兵器だってあるんだから……」
手の平の一粒のカプセルに目を落とす。それはヴァギナスのハンガーに向かう直前にユリカから渡された薬だった。
「抗オーガズム剤よ、いざというときはそれを噛み砕いて呑み込みなさい」
「抗オーガズム剤? なんですかそれ?」
「オーガズムを抑え、絶頂を遅らせる効果があるわ、イキそうになったら使いなさい」
「ちょっ……そんなのがあるなら今までのトレーニングは……」
「薬はあくまでも薬よ、頼るようになってはダメなの」
「ええーっ……でも」
「ホラ、早く行きなさい。私は管制にいるから。あとは通信で、ね」
やりとりを思い出す。
この二週間のトレーニングでは懸命の努力にも関わらず、絶頂までのタイムはそれほど伸びていない。つまりヴァギナスで戦闘できる時間は十二分程度ということだ。この薬がどれほどの効き目かはわからないが、それをアテにして戦うのは危険だ。それでも、あるだけ心強かった。