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隷従超鋼ヴァギナス [1] 胎動編
第1章 プロローグ
「淫機獣だっ! 逃げろ!」

 警告の叫び声にケイはすぐさまバックパックをひっ掴んだ。

「ママ! 英瑠!」
「山を降りるのよ、ケイちゃん!」

 真理子もまた生活品を詰め込んだリュックを肩に、英瑠の手を引いて走り出てきた。

 宇宙からの巨大兵器に都市部が壊滅させられてから二年。ケイたちは人里を避けて山奥に隠れて暮らしていた。追い立てられるような数か月の逃避行の末、遺棄されていたロッジを見つけ、そこで数十人の同じような避難者たちと生活していたのだ。

 優しかった父はもういない。最初の襲撃の日以来、連絡が取れなくなっていた。

 侵略にはパターンがあった。まず巨大兵器が都市などの建築物を破壊する。そしてそれが済むと次の段階が来る。今度は小型の機械兵器が隠れ潜む人々を狩り出しに来るのだ。

 この小型の兵器は様々な形態のものがあったが、総じて〝淫機獣″と呼ばれ恐れられた。

 なぜそう呼ばれるか――
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