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情画
第6章 夜明け
「ママ〜、夜中に起きたらママいなかった…」

「ごめんね、実…」

「ママのお仕事は夜中もあるんだよ。実は、甘えん坊だなぁ。」

主人が助け船を出してくれたが、お仕事や夜中というフレーズで蔑んだ目でワタシを見た。


やはり、この人は愛せない。

実に愛想笑いをしながら、その場をやり過ごした。



「ママ〜今日先生に2枚目の葉の名前聞いてみるね。
じゃあ、いってきます〜」

「そうね。ママにも教えてね。いってらっしゃい。」

さすがに今日は疲れていた。これから沙絵さんになぶられると思うと家で休もうかとも考えた。

そうしたら、ずっとお屋敷から逃げてしまうことになるだろう。

先生はきっと待っていらっしゃる。自分に言い聞かせてインターホンを押した。

籠が置かれた玄関で裸になり首輪を付ける。
アトリエのドアは開いていた。

四つん這いで歩き、開いたドアをノックする。

「ずいぶんお行儀の良いペットね。お入りなさい。」

「おはようございます。」


こうして動物以下の昼の部が始まったのだ。
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