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情画
第6章 夜明け
「いずみ、無理して付き合う必要ないですよ。
沙絵はワガママすぎるから」

「いえ、大丈夫です。」


沙絵さんがカーテンを開けて、ワタシに寄り添って座る。

今回は作品全部へのタイトルがついていて『化身』となっていた。

『女』という三部作の写真は、最初、振り子になって揺れるワタシが沙絵さんの側に振られる瞬間で、怯えた表情が撮られていた。

次に、鞭打たれ喜び戦く姿。

そしてM字に吊られ、鞭とディルドに達し、潮を撒き散らしていた。

潮と蜜でヌメヌメと光るディルドは尾か女の生殖器に見える。
四肢を折り曲げた姿は獣のようでこれが『女』とは思えなかった。

『昇華』は逆さ吊りでの前面と背面、やはり潮を噴いている。
さらに、口から垂れた涎は糸のようで光っている。

それは、何かの化身である女が、本来の姿に昇華した瞬間だった。

『交尾』
ああ、ワタシもこの時交尾みたいだと思った。
ぶら下がる女を上下逆さまに交わる男、それは人のものではなかった。

異種の交わりか、同種のものか、女の顔は顎までしか見えないが、
糸を垂らしたまま男に喰らいついていた。

その不自然な姿勢をものともせずに襲いかかる女は、既に人ではない。


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