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情画
第10章 四季咲き
型抜きを出して自分で抜き始める。

余った生地を纏めて、また棒を当てていく。

何回かしたところで疲れたのか、

「後はママやって…」

交代となった。

型抜き出来なくなった生地を最後に好きな形にする。


「お星さまを僕が作る。」

丁寧に作っている。
何回かやる度に上手になっていく。
元々器用なのかもしれない。

揚げる間は少し離れたところで見ていて、仕上がると粉砂糖をまぶしてくれる。

「ママ、お星様壊れやすいから気をつけてね。」

「そうね。大事に揚げるわ。」

最後に星を揚げる。
角がぶつかると壊れるからと、実が言うのだ。


「いただきます。」

「今日は実がほとんど作ったね。いただきます。」

まず星を食べてから、普通のを食べていく。

「形は違っても味は同じだね〜。とんがってるのがサクサクする。」


一緒に作って食べる。
いけないとは思いつつ明日の先生との昼食のことを考えていた。


主人はあの日以降忙しいらしく、毎晩何時に帰っているのかもわからない。


あの下着もタンスの奥にしまってある。

このまま普通に毎日が暮らせればと願っていた。
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