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情画
第12章 レッスン
「そうです。沙絵が庭のものでジャムを作るのに凝っていて沢山作ったんですよ。

おかわりはこっちのジャムで是非。」

「綺麗なグリーン、夏みかんのジャムですか?」

「そうです。レモンより甘く、マーマレードより酸っぱくてなんだか懐かしい味ですよ。」

「是非おかわりします。」

薔薇の香りが溢れる。花の形を僅かに残したジャム、紅茶に温められてとても高貴な香りがした。

「沙絵さん凄いですね。」

「気に入るととことんまでやりつくすからね。
庭にある花や実は調べて食べれるものは全部ジャムにしたよ。」

花々に囲まれて紅茶を楽しむ。とても優雅な時間だった。

「ではおかわりをいただけますか?」

カップを差し出すと先生が立ち上がりキスをする。

突然のことに驚くも、甘い薔薇の香りに包まれてワタシは溶けていった。

舌で唇をなぞられて、その侵入を許すと甘い舌が絡められた。

力が抜けてしまいそうで先生の肩を探して掴まった。

溶けてしまいそう。そう思った時リップ音と共に唇が離れていった。

「甘い薔薇のキスでしたね。」

先生の視線が熱い。ワタシは恥ずかしくなって、そっと視線を反らし俯いたまま頷いた。

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