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情画
第12章 レッスン
「じゃあ今からレッスン始めるよ。まずはクレパスの持ち方からね。」

「はい。」

「実くんナイフとフォークは持ったことある?」

「ある。ホットケーキのとき…」

「じゃあナイフと同じ持ち方、上から優しく握るんだよ。」

「先生…こう?」

「そうそう、それで丸を描いてごらん。」

「うん。」

実はゆっくり丸を描いた。

「先生できたよ。」

「じゃあ優しく握って中を塗ってごらん。」

「わかった。」

そうはいっても力が入っていた。

「実くん、もっと優しく。」

「先生…わからない…」

「じゃあ実くんは僕の手に同じ持ち方で重ねて持ってごらん。」

先生が屈んでクレパスを持つ。その上から実が手を重ねた。

「実くんまだ強く握ってるね。手首を使って描くから力を入れちゃダメなんだよ。

逆にしようか。実くんの手を僕が持つからね。

今、実くんの持ってる強さ。」

先生が実の指をクレパスに見立てて掴む。

「このくらい軽く、落ちないように持つだけでいいんだよ。」

もう一度自分の指を握らせて、実際に塗ってみせた。

「優しくふるだけなんだね。」

「そうそう、振るだけだ。やってごらん。」

実は丸を塗っていく。
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