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情画
第12章 レッスン
実は葉の縁をスプーンの持ち方で曲線の集合で描きあげ、内側に向けて指で拡げていった。

葉の曲がりによる明暗を注意深く確認しながら、クレパスを変えていく。

1枚出来上がるとまた悩み出した。

「筋を何色にすればよいかなぁ…模様じゃないんだよね。小さく膨らんだりヘコんでるんだ。
濃い緑で描いたら模様になっちゃうよ。」

「うん、細かいところによく気が付くね。明るい色の反対は暗い色、葉っぱと反対の色にしたらどうだろう。」

「緑の反対は、オレンジ…でもここは暗いから…赤?」

先生が暖色系のクレパスを箱から出して並べる。

「先生…この暗い赤はどう?」

「えんじというんだよ。それにしてみたら?」

「うん、最初は薄くやってみるね。」

「そうだね。」

実は丁寧に葉脈を描き入れていく。地の色が明るいところはオレンジ、黄色と持ち変えていた。

「先生、出来たよ。」

「うん、シュシュシュって感じが出てるね。」

「あとは花の近くになるほど明るくなっていくんだ。」

実が一人で集中しだすと、先生が顔を上げてワタシの方を見る。

とても嬉しそうだった。

先生、貴方にそっくりよ。実は貴方の才能を受け継いでいるわ。

秘密を明かすつもりはないので心の中で呟いた。
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