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情画
第12章 レッスン
しばらく無言の時が続くが、実の輝いた表情を見るのは飽きなかった。

先生は実の選ぶ色や手付きをずっと見守っていた。


「はぁああ…先生っ…出来たよ。」

「シュシュシュが完成したね。実くん疲れたかな?」

「うーん少し…爆弾を書くのは難しいよ…」

「じゃあ休憩にしようか。」

「うん。」

先生は紅茶を持ってくる。

「手を洗ってきた方がいいね。一緒においで。」

「うん。」

先生と一緒に部屋を出ていく。完全に打ち解けた二人は並んでいってしまった。

「先生のお家おっきいね〜。沢山お部屋がある。」

「実くん迷子になるから一人でいっちゃだめだよ。」

「わかった。」

廊下から二人の弾んだ声が聞こえてきた。

「ママ〜手を洗ってきたよ。緑の泡が出た。」

「そう。指でなぞったからかな?」

「それでね〜お花のヒラヒラは指に水をつけたらどうか?って先生と話してたの。」

「どうして?」

「葉っぱより柔らかいヒラヒラだからね〜
そうしてみるんだ。」

「実くんの発想なんですよ。面白いアイデアだなと…」

先生は夏みかんのジャムを入れて紅茶を注いだ。

「お菓子を用意してなくて、」

「先生っ、お家で食べてきたから大丈夫。」
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