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情画
第15章 手紙
「そういう意味でなくて、写真を撮るまでに、ポーズを考え、伝えたいテーマを決めて、何度も練習して何度も撮りなおしてると思うんです。

じっと待ってて撮るんじゃなくてポーズを作りながら自分で撮るんですよ。

この歩く姿も堂々として彼女らしいじゃないですか。

彼女の表現したい芸術と捉えることができませんか?」


「いや、綺麗だよ。あの子らしいよ。」

「それと、」

「なんですか?」

「一連のポーズ、着物の3花のポーズになってますね。」

「っあ…」

「牡丹は待つ女じゃなく見て捉える女、芍薬も大地がアメリカですよ。百合もこれだけ潔い歩を進めてるじゃないですか。」

「次をめくって…ください。」


『stay』『佇む』

先程の日射しの中で窓辺に佇む彼女は、バレリーナのように片足を高く上げていた。

日の反射で開かれた陰部は写っておらず、陰毛も金髪のように光っていた。


どの写真もそうだが、イヤらしさを感じさせない。

美しい、綺麗と思えるものだった。

先生は苦虫を潰したような顔になっていたが、もう何もおっしゃらなかった。


『eat』は日本食を低い膳に盛り付け焼き魚を食べる彼女だった。
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