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情画
第16章 露呈
「実、起きて…ご飯出来てるわよ。」


「ママ…おはよう…」

「支度して降りてきてね。」

「…ママの手伝い…」

寝ぼけながらも起きたので、リビングに戻り主人の分の食器を下げた。


「ママ、おはよう…」

「おはよう、実」

「パパは?」

「お仕事で出張なんですって、早く出かけてしまったのよ。」

「しゅっちょうってなぁに?」

「お仕事で遠くに行って、お泊まりで仕事するのよ。」

「じゃあ帰ってこないの?」

「そうね。」

「たくさん?」

「そうね。お仕事終わるまでだから、たくさんかもしれないわ。」

「早くお仕事終わるといいね。」

実には嘘をつくしかなかった。


また、先生のお屋敷の前で実を送り出す。

そのままインターホンを押した。

カラン…カラン…

鐘の音はいつも通りのはずなのに、やけに頭に響いた。

「いずみ、おはようございます。」

先生が出迎えてくださった。

先生…

ふっと目の前が暗くなっていった。


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