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情画
第16章 露呈
「主人は家を売る段取りもしていて、一週間過ぎたら残ったものは処分すると…」

「やはり、どこかで僕の存在に気づいていたんでしょうね。

検査結果を知って、苦しみながら、ずっと疑っていたんですね。」

「そうだと思います。指の長さから、実は自分の子供じゃないと疑っていたようです。」

先生がご自分の手を見ていた。

「人差し指が薬指より長いのは、劣性遺伝だからと言ってました。」

「実くんは、僕と貴女の子供だったんですね。
なんだか納得いきます。

今日は何時ごろ帰ってくるのですか?」

「2時半頃です。」

「まずは、お昼にしましょうか、実くんのことは僕に任せてください。

お粥食べれますか?

赤ちゃんのために、ちゃんと食べなきゃだめですよ。」

そう言って先生はお粥を運んできた。


「すみません。」

「いえ…沙織の時のことを思い出してね。

病院から抜け出してやつれて僕の元に来たことを…

今が一番大事な時でしょう。しっかり食べなきゃ…」

突然のことにどうしたらいいか判らず、ずるいと思いながらも先生に頼ってしまった。

先生に起こしてもらい、お粥を食べさせてもらった。

「美味しい。」

優しい味にホッとして食が進んだ。
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