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第16章 露呈

｢ほら、実くん、ここが実くんの部屋になるんだよ。｣

｢わぁ、広い。｣

｢まずは学校の物を勉強机に閉まってごらん。｣

｢はぁい。｣

｢お母さんの部屋は、さっきお母さんが寝てた部屋にしようか。
実くん、一人で片付けられるかな？｣

｢うん。｣

｢終わったら、ママの部屋においで。｣

｢はぁい。｣



｢いずみ…ゆっくりでいいから、すぐ使う荷物を片付けて、
また少しずつ変えていけばいいから、｣

｢先生…すみません。｣

｢謝らなくていいんですよ。
貴女と実くんと一緒に暮らせて嬉しいんですから…

貴女は、まずは赤ちゃんのことを一番に考えて…

僕が実くんのことは見るから。

他のことは、ゆっくり、ゆっくり考えていけばいい。｣

｢先生…｣

先生は下げたワタシの頭を持ち上げて優しく撫でてくれた。


｢実くんに寂しい思いをさせないようにしなきゃね。｣

そう言って先生は離れた。

｢先生、ママ、できたよ。｣

｢よし、じゃあ、おやつを作ろう。｣

｢先生と作るの？｣

｢そうだよ。ママには少し休んでてもらおうか。｣

｢うん、先生、おやつ作れるの？｣

｢フレンチトーストならね。｣

｢なに？それ…｣

｢今から一緒に作ればわかるよ。｣

｢ママ、寝ててね〜。先生とおやつ作るから。｣