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情画
第16章 露呈
やはり親子なんだ…

先生を追いかけるように実の足音が消えていった。

そして先生の行動力に驚いた。

どうしたらいいか…などと考える間もなく、当面必要な荷物を持ってこれた。


実に妊娠のことをきちんと説明してくれた。

任せておけばいいんだ…

安心して横になるとすぐに眠ってしまった。



待ち続けた喜びが一気に訪れた。

そして、実くんが僕の子供と知った。
レッスンをしていて、何となく感じていた感覚。

僕に似てる、彼が何を思っているのか予想できること、いずみの告白を聞いて、ああ、やはりとしっくり来たのだ。


妊娠して大事な時に家を追い出され離縁を突き付けられた貴女の心労を思うと、沙織のことを思い出した。

沙織が、もう一度やり直すチャンスを与えてくれたのかもしれない。

学生だったあの時とは違う。いずみを実を守ってみせる。そんな強い意志が持てた。


実になるべくスムーズに新しい環境に慣れて欲しい。父親との関係が知らないうちに終わってしまったことが、彼の心の傷にならないで欲しい。

実のことを最優先に考えた。

沙絵の言葉も励みになった。もう二度と離さない。いずみも実もお腹の新しい命も、僕のものだ。
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