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情画
第16章 露呈
「先生、フレンチトーストってどんなおやつ?」
「まず卵を割るよ。実くん卵割ったことある?」
首を横にふる。
一つ見本を見せてやらせてみた。
恐る恐る持ちながら慎重に割る。
「上手に出来たね。」
誉められて嬉しそうにする彼を可愛いと思った。
僕と貴女の子供…
父親は自覚を持った時に生まれる。
八年間の隔たりなど関係ない。
今、この卵のように、僕は実の父親として生まれたのだ。
「牛乳と砂糖を入れる。僕がストップかけるから、やってごらん。」
「うん。」
実の目が輝いていた。
新しいことに興味を持つ。任される体験。
子供の力になることはほんの小さなことだったりする。
いずみが実のことを変わっているのではと心配していたが、僕と沙絵同様、一対一の関係に陥ると周りが見えなくなり煮詰まっていく。
この機会に実との関係を築き上げたい。そう思った。
「よし、ストップ。砂糖は三杯くらいかな。」
「先生は、いつも料理するの?」
「そうだよ。どうして?」
「うちはママしかしない。パパはしたことない。」
「そうか。でも僕は一人だから自分で作るんだよ。」
「じゃあママが元気になったら、ママが作る?」
「まず卵を割るよ。実くん卵割ったことある?」
首を横にふる。
一つ見本を見せてやらせてみた。
恐る恐る持ちながら慎重に割る。
「上手に出来たね。」
誉められて嬉しそうにする彼を可愛いと思った。
僕と貴女の子供…
父親は自覚を持った時に生まれる。
八年間の隔たりなど関係ない。
今、この卵のように、僕は実の父親として生まれたのだ。
「牛乳と砂糖を入れる。僕がストップかけるから、やってごらん。」
「うん。」
実の目が輝いていた。
新しいことに興味を持つ。任される体験。
子供の力になることはほんの小さなことだったりする。
いずみが実のことを変わっているのではと心配していたが、僕と沙絵同様、一対一の関係に陥ると周りが見えなくなり煮詰まっていく。
この機会に実との関係を築き上げたい。そう思った。
「よし、ストップ。砂糖は三杯くらいかな。」
「先生は、いつも料理するの?」
「そうだよ。どうして?」
「うちはママしかしない。パパはしたことない。」
「そうか。でも僕は一人だから自分で作るんだよ。」
「じゃあママが元気になったら、ママが作る?」