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情画
第16章 露呈
「ママは病気じゃないからね。すぐ元気になるよ。
でもね。ママだけが作るんじゃないよ。皆で一緒に作ったら楽しいんじゃないかな。どう?」


「うん。そうする。皆で一緒、楽しいもんね。」

やはり、少し不安なんだろう。『ママが元気になったら』と言うとき、少し寂しそうだった。

「さあ、この中にパンを入れるよ。」

箸を渡すと一緒になってパンを浸した。

子供のたどたどしい手つきは可愛い。
沙絵を迎え入れた時のことを思い出した。


「そうしたら、これを焼くんだよ。」

熱したフライパンに入れていく。

「僕もやっていいの?」

「もちろん、フライパンが熱くなっているから気をつけてね。」

「はい。」

僕が入れるのを見て並べて入れていく。

「タイルみたいだね。」

「そうだね。」

「あ〜っ、固まってくよ〜」

「焼けたらひっくり返すからね。」


頃合いを見て返していくと、実も真似て返し始めた。

「焼けてる〜いい匂い。美味しそうだね、先生。」

「自分で作ったのは美味しいさ。お皿にとって蜂蜜かければ出来上がり。ママを呼んできてくれる?
応接間で食べようか。」
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