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情画
第16章 露呈
応接間に運ぶと、いずみと実が来た。
「大丈夫ですか?」
「ええ…」
実がいずみを掴んだ手をギュッと握った。
「実、心配させてごめんね。少し寝たら良くなるから。」
「うん。ママ、フレンチトースト美味しそうでしょ?先生と二人で作ったんだよ。卵割ったんだよ。」
「そう、凄いわね。」
「温かいうちに食べましょうか。」
「いただきます。」
三人で食卓につく。
レッスンのおやつのときとは違う。
先生が実の父親と知って食卓を囲む初めての場だった。
「おいしいね〜。ふわふわパリパリ。あまーい。」
「うん、良くできたね。実くん美味しいね。」
「ママ、どお?」
「うん、美味しいわ。」
「やったぁ。」
「実くん、おやつを食べたら、宿題をしようか。
僕が実くんの洋服を片付けながら見るから。
ママは今日は、お昼寝だね。
いいかな?」
「うん。」
「はい。」
会話の合間に先生と目が合う。
大丈夫だよ、任せてと言っているような優しい表情だった。
「ごちそうさまでした。」
「お皿を片付けたら宿題だよ。」
くしゅくしゅと実の髪を撫でる先生にぴったりくっついて、実はキッチンにいく。
「ママは寝ててね。」
そういって廊下の角を曲がっていった。