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情画
第17章 新芽
次にはバフっと先生に飛び込んだ。

実を抱えあげて担ぎ、

「強敵が現れたな。」

先生がポツリと言う。


実は少し寂しかったのだろうけど、先生と同じように後ろから抱きつかれたのが可笑しかった。

先生もそれを感じて『強敵』と言ったのだ。

ふふ…うふふ…

卵焼きを返しながら可笑しくて笑った。

「先生、きょうてきってなぁに?」

「ん…競争するいい仲間ってことだよ。」

「僕と先生、競争してるの?」

「いや…してないよ。あははっ」

「あ〜ママ卵焼き作ってる。先生、見せて?」

肩に顎を乗せた実に見えるように反対を向く先生。

「僕が見えないじゃないか…」

うふふ…

兄弟のような二人に笑いが溢れた。

実が先生の耳に口をつけてゴニョゴニョと話す。

「実、先生と何を話してるの?」

「内緒、ねっ先生、男の約束だよね。」

「そうだ。男の約束は絶対だ。実くんもお皿出すの手伝って…」

「うん。」

下ろされた実は先生を手伝って出来た料理を盛り付けていった。


「いただきます」


新しい1日の始まり、このお屋敷に溶け込むようにして、新しい生活が始まったのだ。
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