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情画
第17章 新芽
程なくマドレーヌは出来上がり、紅茶を入れて応接間にいく。

「いただきます。」

「美味しいね。」

「うん、」

先生は端に避けられたマドレーヌを取って食べていた。

「実、明日は公園に出掛けようと思うけどいいかな?」

「公園?やったぁ…いく、行きたい。」

「ついでにお泊まりしてもいいかな?」

「お泊まり?」

「うん、ここじゃなくてよそにお泊まり、旅行だね。」

「旅行?いく。」

「ママもいいですか?今頃ちょうど綺麗な公園があって絵を描くにもいいので、旅行しましょう。」

「は、はい。」

「じゃあ宿題を仕上げて旅行の準備をしよう。」

実は大はしゃぎしていた。


「さあ、出発〜」

助手席に座った実の号令で発車する。

日帰りでもいけそうな距離だったけど、のんびりした方がいいと先生が段取りをした。

お弁当を作って公園にいく。湿地帯一面に広がる菖蒲園だ。

森を抜けて一面菖蒲の世界が広がる。


「うわぁああ〜
凄いね、ゆうパパ…」

「ああ、こんなに広いとは思わなかった。」

「ゆうパパも初めて?」

「そう、近いからいつでも来れると思ってずっと来たことがなかった。」
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