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情画
第17章 新芽
中心らしく、人通りがあるが、皆集中してそれぞれの絵に向かう。

実は早く仕上がると覗きにきて場所を変えては描いていた。

「ゆうパパ、丸いトンネルみたいな紙欲しいな。」

「どうして?」

「この綺麗な景色ぐるっと描きたい。」

「面白いね。」

「できる?」

「実、ドーナツみたいな紙ってこういうことでしょ?」

先生は丸めて筒を作る。

「そう。そしたらその中にぐるっと見た絵が描けて、この中に入ったら、ここに来たみたいに見れるよ。」

「そしたら、繋がりだけ気をつけて何枚も描いて、後で付ければ筒になるよ。」

「そっかぁ、じゃあ今描いてないところを描けばいいんだ。」

「え?」

実が描いた何枚かの絵を見ると目線が変わらず、
菖蒲の高さや山などのアングルが同じ高さで描かれていたのだ。

「じゃあ、さっきのはここまで描いたから…」

椅子の位置を正確に変えて続きを描いていく。

「実?あと何枚で筒になる?」

「たぶん8枚。」

描くスピードが早い。形など捉えずに色の塊を塗りながら、重ね塗りして色の変化で表現しているからだ。

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