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情画
第17章 新芽
先生がこっちを向いて、大丈夫だよと微笑まれる。

少しずつ自然に家族と認識していく。実が受け入れやすいように…

先生がそんな風に包んでくれていた。

「もう少しで絵ができるから、実、待っててもらえるかな?」

先生がパンを投げて、カモを呼び寄せた。

「うん、ゆうパパ、カモの赤ちゃん可愛いよね。」

「そうだね。実も可愛いよ。」

「僕は赤ちゃんじゃないよ。」

「あはは…そうだね。でも僕から見たら可愛い子供だよ。」

先生がグリグリと実の頭を撫でる。

実は照れくさそうに笑っていた。

「実、地図を見て帰り道の探検コースを考えておいて、」

「うん。」


こうして実隊長を先頭に探検隊は帰路につく。出口まで一番遠回りのコースを選んだようだ。

春から夏に切り替わる日差しの中、キラキラ光る水面、一面に拡がる菖蒲のグラデーション、新しい家族での初旅行、
この景色を忘れない。

先生がもっと深い考えで、この旅行を企画していたことをこの時は知らなかったのだ。

「ああ〜遠かった。」

「実隊長、ちょっとコースが厳しかったんですね。
あとは車で宿に向かうだけですから。」

今度は実が後ろでワタシが助手席となった。
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