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情画
第17章 新芽
「実、楽しいね。」

「クスッ…
いずみ、もう実、寝ちゃってますよ。」

「え?
あっ…」

「帰り道頑張ってましたからね。」

実は自分でコースを選んだ手前、文句も言わず歩き通したのだ。


先生と主人の大きな違いは、子供扱いせず一人前と見ていること、何かを任せ切るところだった。

帰り道、足取りが重くなったとき、コースを変えてもいいと言ってくださったのに変えなかったのは実だ。

でも、そこからは頑張って歩いてやり遂げたのだ。


「可愛いいですね。
自分の力で貴女たちを呼び寄せたかったけど、
形はともあれ、もう僕の家族だ。」

先生の強い視線にワタシは頷いた。
実が学校にいる間、こそこそ逢っていた時とは違う。

実の前で甘い雰囲気になるわけにいかない。
そんな制限はあっても四六時中一緒にいられることの方が嬉しかった。


「バタバタと環境が変わって、貴女も実も落ち着かないでしょう?
気分転換になるし、ここから帰ったらウチが我が家に帰ってきたと思えるかと思って…。」

「あぁ…」

「部屋も、戻ったら僕の部屋で寝て欲しい。」

先生は照れながらおっしゃった。

「はい。」
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