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情画
第17章 新芽
「ママにも見せて」

交代して実と先生が持つ。
実はワタシの目線に合わせるように手を上げて持っていた。

「いっぱい描いたわね。ここに立ったら、公園にまだいるみたいよ。」

「次は僕の番だね。」

先生が絵の中心に立つ。

「ゆうパパ、高いから届かないよ。」

「大丈夫だよ。こうするから。」

先生は膝立ちになる。

「うん、公園にいるみたいだ。奥行きがよく描けてるね。」

「奥行きって?」

「実、遠くのものは小さく見えるだろう。」

「うん。」

「近くは?」

「大きい。」

「山を小さく描いて、ちっちゃい山があるみたいになっちゃうと、ぺったんこな絵だよね。」

「うん。」

「実の絵はぺったんこな紙に描いてるのに、山が遠くにあるから小さいんだってわかる。ここから山までが広がってるのがわかるんだよ。」

「ゆうパパ、りったいてきってのと同じ?」

「そうそう、賢いなぁ実は。」

「だって、ゆうパパが教えてくれたんじゃん。」

「そうだね。凄く素敵な絵に仕上がってるよ。」

「やったぁ〜

ゆうパパ、この絵、車に乗らないよ…」

「セロテープを取れば、元の画用紙に戻るよ。」

「あっ、そっかぁ」
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