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情画
第17章 新芽
川の字になって布団に入る。両方から見てて欲しいと言いながらも、実はあっという間に眠りについた。


翌朝、実を送り出すと先生がもう一度家にいこうと言う。

「約束の1週間ですから、本当に忘れ物がないか…」

逃げてばかりじゃいけない。こうして家に戻る。

実の部屋を確認して、寝室にいくと、ビニールテープが張られていた。

「先生…」

「失礼しますよ。やはり、この土日に、ご主人戻ってきていたんですね。」

「え…」

「引っ越し準備に戻ってきてたんですよ。」

「あ…」

「そんなこともあろうかと旅行に出たんですがね。」

「あぁ…」

「実がここに来たがったら鉢合わせしてしまうでしょう。」

「先生…そこまで考えてくださってたんですね。」

「いや、実も貴女にも辛い思いはさせたくなくて…
逃げだすなんて卑怯ですよね。」

「でも、その方がいいです。」

「他の部屋も見て、テープの張られてないところで必要なものがないかチェックしましょう。」

リビングにいくと電話の留守番ボタンが点滅していた。

メッセージを再生する。

『俺だ。届は出したか?予定通り火曜日に引っ越し業者がくる。残ったものは処分することになってるから。』
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