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情画
第17章 新芽
「例え、自分の子供でないとして、今での生活や思い出が変わってしまうでしょうか…」
先生とクッキーでお茶をしながら聞いてみる。
「ご主人の気持ちですか?」
「はい。」
「難しいですね。
実は悪くなくても、裏切られた、憎しみの対象なのでしょうか…
わからないですね。
でも、別れる用意をしていて、顔を合わせず出ていってしまったのですから
会うつもりはなさそうですね。」
「そうですよね。」
「実はそれがわかるから辛いんじゃないでしょうか。」
「たぶん…」
「時間がかかっても、実のことはずっと守ります。
憎まれ役になっても構いません。
でも、いつか、本当の父親だとわかってもらえるまで、
僕は逃げないですよ。
貴女は自分を責めたりせず赤ちゃんと実のことを考えていてくださいね。」
「はい。」
「沙絵を引き取ったばかりの頃、やはりすぐにはなつかなくてね。
おばあちゃん子で、おじいちゃんよりは僕という感じで、仕方なくここに来たんですよ。
でも子供は大人に頼るしかない。
仕方なくから、だんだん心を開いてきて、僕を親と思ってくれるまでに、しばらく時間がかかりましたよ。
でもね。実は血が繋がってる。それを彼も感じてくれると思いますよ。」