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情画
第17章 新芽
「ママ、起きて大丈夫?」

「ええ、おうちに皆でいきましょうね。」


ガチャリ…

ワタシを先頭に家に入る。主人は自分のものだけ持っていったようで、
リビングはあまり変わりなかった。

電話をみたが、留守電は入っておらず、他にも主人からのメッセージはなかった。

ワタシ達がどこにいったのか、気にならないのだろうか…
考えても仕方ない、終わったのだ、いや、先生と出会ってから、全て、仮の暮らしだったのだ。

そう思うことにした。

実は静かに全ての部屋をチェックしていた。

「ママ、これ、持っていきたい。いい?」

実が持ってきたのは、トイレに飾ってあった小さい頃の写真だ。

幼稚園の入園式に家族で撮った写真と、主人が小さい実を抱いている写真…

「いいわよ。」

「僕、これ自分の部屋に飾る。」

「どうぞ…」

2階にあがると主人の部屋と寝室はガランとして、ベッドが残されているだけだった。

実は自分の部屋にいき、クローゼットの奥にしまってあるオモチャ箱を開けていた。

何かを一生懸命探していた。

「あったぁ…
あと、これだけ持っていきたい。」

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