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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
「いってきます。」

「あとから、すぐ行くからね。転ぶなよ。」


朝から先生の服装チェックをして実は先に学校に行く。

30分遅れていくのに先生は落ち着かないようで、屋敷をうろうろし、水やりでもしようかと庭に出ていた。

「そろそろ時間ですよ。行きませんか?」

十分過ぎるほどの水やりをしている先生に声を掛けた。

「あ、もう時間ですか。」

慌ててホースをしまう先生が可笑しかった。

門をくぐり15分程の道のりを先生は無言のまま歩いていた。

「ここが実の学校かぁ…」


教室に入ると子供たちは、皆後ろを向いていて自分の親に手を振っていた。

実も気にしていたのかチラチラ後ろを向いていて、僕を見つけると嬉しそうに笑う。

隣の女の子に何か言われて恥ずかしそうに僕たちの方を指さしていた。


考えてみれば、主人は入学式から仕事仕事と、学校に来たことがなく。幼稚園の友達も学校が違い主人を知る人はいなかった。

早くから来ていた方もいて、実は不安だったのだろう。ワタシたちを見て喜ぶ顔が印象的だった。


「皆さん、授業を始めますよ。」

先生の号令で一瞬皆が前を向いたが、しばらくするとまたチラチラと後ろを向いていた。
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