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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
国語の授業が始まる。

一人一人前に出て、朗読をしていく。

気に入った1節を読んで感想を発表する。
そんな感じで一人ずつ発表していくのだ。

「くじらぐも」
一年のクラスで体育の授業にくじらみたいな雲が現れ、一緒に体操をして掛け声を掛ける。
空に向かって子供たちが飛び上がりながら掛け声をかけるというストーリーだ。

クラスの皆がまとまったところ、くじらぐもと仲良くなったところが大方読み上げられる。

実の番がくる。何度も宿題で読んでいたから、どこを読むのだろうと思った。

実が読んだのは冒頭部分、雲がくじらぐもと名付けられる部分。

そこを読んだ子は誰もいない。

そして実が感想を言う。

「僕がくじらぐもを見つけたら、絵に描いてみたいと思いました。」

堂々と大きな声で発表する。発表の後は、皆で拍手する流れになっていたが、子供たちが拍手しない。

パラパラと拍手していた親たちが戸惑いながら拍手をやめた。


「実〜、体育の授業中なんだぜ?絵なんか描けるわけないだろ〜」

一人の子が言うと皆が、そうだよなぁ〜と相槌を打つ。

「また、実は絵かよ〜、体育やめて絵を描いたら、話にならないべ〜?」

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