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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
そこに脚を通して、二人の肩に掴まる沙絵さんがいた。

組体操のようなアクロバティックなポーズ。

先生は呆れた表情で見ていた。

次が最後のページ、
皆が後ろ向きに立って歩を進めている。

皆裸だが真ん中にいる沙絵さんだけはヴェールを被っていて、そのヴェールを捲り両サイドから二人が頬にキスしている。

爽やかなキスとは裏腹に三人の手は互いの腰になまめかしく絡み合う。

その沙絵さんの背中には新しいタトゥーがあった。

『X』に絡み合う白と黒の薔薇、その真ん中に黄色い百合がある。

三人の立ち位置と同じボブ、沙絵さん、ジョンを模しているのだろうか…

どの花も蜜を滴らせていた。

「まったく…」

とうとう先生が声を出した。肩甲骨から腰の上までに施されたタトゥー

先生が怒るのは無理もない。

「きっと入籍できない三人の誓いなんですよ。
沙絵さんに背負わせることで、三人で居続けるという。」

「沙絵が離れていけないように束縛しているんじゃないか?」

「先生、愛ってそもそも、束縛じゃないでしょうか…

時間や空間や体を束縛し合うものじゃないですか?

与える愛といっても、それを受け取ることを強要している。
それを束縛というか分かち合うと思うか…」
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