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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
「まぁ、そうですが…
貴女と一緒に過ごせて満足するかと思ったけど、まだまだ足りない。もっともっとと思う。」

「それに沙絵さんは被虐体質でもないのに、騙されて体に残る誓いを立てる訳がないですよ。

彼らも、この本を出すことで、元々の二人の関係まで晒して、それだけの覚悟があって沙絵さんを受け入れたんですよ。」


「まぁ…」

「離れている分、理解して支えてあげなければならないんじゃないですか?」

「いずみは完全に沙絵の味方だね。」

「だってワタシのご主人様ですから…」

あはは…


本の最後に手紙が挟まっていた。

それを取ろうとめくる。

あっ…

もう一頁あった。

装丁にあたる部分に沙絵さんがいた。

赤い縄で作られた蜘蛛の巣、そこに手足を拡げてくくりつけられる沙絵さん。
沙絵さんの体に細かい編み目の縄化粧が施されていた。

沙絵さんがワタシに施したような細かい縄化粧だ。

縄の蜘蛛の巣の後ろに鏡があり、うっすらと背面が映っていた。

沙絵さんは微笑んでいた。捕らわれているというより、巣の主にも見えた。

赤い縄が沙絵さんの美しさを際立たせていた。

そして、うっすらとタトゥーの花たちが見えた。


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