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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
「ゆうパパっ…僕の朝顔咲いたよ〜」

実は水やりのあと報告にきた。

「よし、みせて…」

僕は実を連れてもう一度庭に出る。

サルスベリの下に置いた実の鉢植えの朝顔が花開いていた。

「おんなじ色だね。」

実が言うから間違いない。

「同じ花から出来た種だからね。」

「じゃあなんで1日中咲かないの?」

「どうしてだろうね。日向で育ったから忘れてしまったのかなぁ…」

「お母さんが覚えてたのに忘れちゃうの?覚えてて欲しいなぁ…」

実は学校に行く時も、サルスベリの朝顔、縁側の朝顔、自分の朝顔を見てから行った。


実が、朝顔を凄く意識していた。
一緒に種まきしながら話していたこともしっかり覚えていた。

実際、ワタシ自身種まきに思い入れがあった。

今年の朝顔が1日中咲いたら、先生に会いに行こう。
毎年願掛けをしながら育ててきたのだ。

結局、願いは違う形で実り、先生と再会したけど…


実を送り出すと、先生が実の朝顔の鉢植えを持って屋敷に入る。

「今日は実の、貴女が絶やさず育てた朝顔を描きましょう。」


アトリエで向かい合わせに座り、やっと1輪咲いた朝顔を描いた。
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