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情画
第18章 朝顔でも昼顔でもない花
「僕はもともとのおうちに帰ってきたってこと?」

「そう、前のおうちを忘れる必要はないし、パパは二人いると思ってていいんだけど…

誰が何と言おうと実は僕の子供だ。」

「ゆう…パパ…帰ってくるの…遅くなってごめんなさい…僕、帰ってきたよ…ただいまっ…」

実は泣きながら僕に飛び付いてきた。

僕はしっかり実を抱き締めた。

「おかえり…実…」


ここに来た時から、少しずつ慣れてきて、家がなくなったこと、父親が仕事でなくもう帰ってこないとわかって、一度は心を閉ざしかけた実。

手を繋いだりはするものの、抱き着いたり甘えたりという接触を避けているのを感じていた。

小さな体でいっぱい我慢していたんだろう。
抱き締めてやると、余計に泣きじゃくった。

「パパ…パパぁ…」

「実、少しずつでいいんだ。
実は、ここのおうちに来たんじゃない。本当はここのおうちの子供だったんだよ。

ママのお腹の赤ちゃんと同じで、君たちのパパは僕なんだよ。

だから、我慢しないで何でも言って…」

「わ…かった…よ…」

ひくひくとしゃくりあげて泣き止みそうになかった。

しゃがんだ姿勢で抱き着いてきた実を抱えたまま立ち上がる。
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