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情画
第21章 秋
「いやらしいな、実を味方につけて…こんなこと言わせて…」

「僕、ゆうパパの味方だけど、言わされてないよ。
僕ね、今日はおじいちゃんとおばあちゃんの絵を描きにきたの…」

「そうか、実、今日おじいちゃんのおうちで一人でお泊まりできるか?」

「う、うん。でも僕おうちに帰してもらえるよね?」

「ああ、明日ママに迎えに来てもらおうか?」

「今日は帰って明日来てもらおうか。実とじっくり話もしたいし、いいだろうか。」

「は、はい。近くにホテルをとってますので、では昼過ぎに迎えに来ます。」


「お父さん…」

「長い付き合いになるんだろう?今日はこのくらいでいいじゃないか…」

「じゃあ実の着替えを車から取ってきます。」

先生が出て行かれた。

「普通の仕事をしていないから、感性が違い過ぎる。大丈夫なのか?」

「その分家族での時間が沢山持てるのよ。お父さん偏見だわ。」

先生が戻ってくる。

「ここに実の分はまとまってますから。」

実を置いて二人で玄関に向かう。父は見送りにも来てくれなかった。

母がワタシの耳元で囁く。

「あなた、幸せなの?」

「はい、お母さん。」

「前よりも?」

「もちろん。」
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